「Rougeの贈り物」 続・友雅編

= ちゅーのついでにペロンって舐められたり?キャー/// =





  「・・・ねぇ、あかね・・・いい加減、機嫌を直してくれまいか」

  「友雅さんなんて、知りませんっ!」



  あかねは頬を膨らましながら、完全に怒り心頭している様だ。
  しかし、その怒りは至極もっともな訳で・・・。

  友雅は放り出された、半分程になってしまったルージュを眺めながら
  少し遣り過ぎたかな?と苦笑を零す。
  しかし、止められなかったのだから仕方が無い・・・その代償を払わなければならないが。





Rougeの贈り物」 続・友雅編





  京から遙かな時空を越え現代に来て、約半年。
  友雅は龍神の加護を得て、現代に馴染みモデルという職でも成功を収め
  そして何より、愛しい少女の婚約者という立場さえも、もぎ取った。

  さて、そんな幸せ絶頂でいる筈の男が、何故こんな目に?
  それは、自業自得と言わざるを得ない。



  先程まで行われていた、春の新色ルージュの発売記念パーティ
  そこに、あかねをパートナーとして同伴した。
  彼女を連れた理由は様々有ったが、その最大の要因は


  『美しく着飾った愛しい人を見てみたかった』


  真面目で経済観念のしっかりしているあかねは、高価な贈り物は受け取ってくれない。
  ・・・まぁ、京に居る時からそうだったのだけど・・・

  そこで仕事に託けて有無を言わさぬ形で、彼女を磨き上げた。
  エステに、ネイルに、ヘアケアに、メイク
  似合いそうな、桜色のカクテルドレスとパンプスも用意。
  サイズなんて問題ない・・・指から足まで本人よりも詳細に熟知しているのだから・・・

  さて、そうまでして磨き上げた姫君は、想像を遙かに超えた愛らしさで
  飄々とした笑顔で対応してみせたが、実際は何度も生唾を飲み込んだのを覚えている。
  更に桜色のルージュで染め、男心を擽る様な優しさを示され
  はにかんだ微笑まで魅せ付けられたのだから、堪らない。
  しかし今ここで押し倒す訳にはいかないので【一瞬、本当にそうし様かとも思ったのだが】
  小さな悪戯【友雅にとって】で我慢する事にしたのだ・・・今は



  友雅はあかねの顎を掴み上を向かせると、唇を重ね去り際に舐めた。
  そして自身の唇についているであろう分もキレイに舐め取る。



  「おや、落ちにくい口紅だと聞いていたのに、簡単に落ちてしまったねぇ」

  「ととととっ 友雅さんっ!(///)

  「ふふふ、パーティでは、その口紅を付けておかないといけないのだよ。
   さて、どうする?」

  「付けますよちゃんと、だからもう冗談は止めて下さい!」



  あかねは真っ赤な顔をして、悪戯が過ぎる年上の恋人を睨む。
  友雅は両手を挙げ降参のポーズを取りながらも、心の中ではトンでもない事を考えていた。
  
  『冗談? 本気なのだよ、私の白雪』







  そう、そしてソレは実行に移される。
  パーティの最中、隙あらばあかねのルージュを舐め取った。
  友雅にとって、人目が有ろうが無かろうが関係は無かったが
  あかねが恥しがる様子が見たくて、一応周囲にばれ無い様に気を使った。
  
  ただ一度だけ、周囲の目のある時に態とキスをした。
  パーティの中間、化粧品会社社長の挨拶が終わり、フリータイムとなった時
  モデルの女性などは、友雅に話し掛けようと
  TVのデレクターやスカウトなどは、あかねに話し掛けようとした時
  これ見よがしに、誰も近付いてくるなと言わんばかりに・・・。

  その後も、度々あかねの唇は狙われ続けた。
  そしてその度に、ルージュをつけ直すものだから
  パーティが終わった時、新品だった筈のルージュは半分までに減ってしまい
  宿泊予定の部屋に戻ってきた時には、至極当然の事ながら
  あかねは憤慨していた・・・と言う訳だ。




「ラッピング」 「はい、あ〜ん」





姫君主義 / セアル 様