「Rougeの贈り物」 続・友雅編
「ラッピング」

= ちゅーのついでにペロンって舐められたり?キャー/// =



ラッピング



  友雅はあかねに触れない様に、でも直ぐ側に腰を下ろした。



  「私が悪かった、謝るから・・・許しておくれ」

  「・・・・・・・」

  「君に嫌われたら、私は生きていけないのだよ」



  珍しく神妙な声と物騒な物言いに、あかねは思わず振り向いた。
  ソコにあったのは、まるで捨てられた仔犬の様な縋る視線。
  元々、情に脆い性格なのだ、一瞬絆されそうになったが
  ぐっと堪えて、赤い顔で睨む。



  「私が、ドレだけ恥しかったか、分ってます!?」

  「分っていたよ・・・だけど、止められなかったんだ。
   綺麗に着飾った白雪がまるで蝶の様で、私の手から飛んで行ってしまいそうで
   戯れを仕掛けた瞬間は、私の事を気に掛けてくれる様で・・・ね」

  「全部、友雅さんが用意したのに!?」

  「そうだね、自分でも愚で情けない男だと思うよ。
   だから許しを請わせておくれ、君の側に居る実感を感じさせて欲しい。
   ・・・抱締めていいかい?」



  友雅が怖々と両手を広げる。



  「・・・もう、人前であんな事しません?」

  「しないよ」

  「絶対ですよ!」

  「あぁ」

  「約束ですよっ!! 嘘ついたら針千本、飲ませますからね!!!」

  「白雪の望みなら、千本でも一万本でも飲むよ」

  「・・・別に、針を飲ませたい訳じゃないんですけど・・・」



  あかねは、まだ何か言いたげではあったが小さな溜息を零すと
  友雅の腕の中に身を任せた。



  「・・・じゃぁ、もういいです」



  友雅は、そっと包み込みながらニヤッと口角を上げる。

  兎は自ら白虎の懐に飛び込んだのだ。

  コレだから、自分の魅力を自覚している色男は性質が悪い。
  謀略蠢く京の宮中で、身に付けた処世術を駆使し
  あかねの優しい性格をまんまと利用して、哀れみを請う様に懐柔してしまうのだ。

  捕縛範囲に獲物がかかれば、後は白虎の独壇場。

  その肢体を確かめる様に抱締め、甘える様に首筋に顔を埋める。
  ・・・が、フトいつもと違う感覚に違和感を覚えた。
  鼻腔を擽る香りが、あかねらしくない。

  それも当然だろう、誰かさんが手配し、たっぷり時間を掛けて磨き上げられたのだ。
  髪や身体に使われた、溶剤や化粧品、オイル等は最高級品
  だが、その香りが酷くチープに感じられて、友雅を苛立たせた。
  先程までは「愛らしい」と思っていたドレスも何故か余計な物に思えて・・・

  そして気付く、如何に外見を豪華に飾ろうが本質は中身なのだと。

  中身が拙いなら、包装が豪華であっても滑稽なだけ
  そこそこの中身なら、釣り合いが取れるだろう
  しかし最高級品となれば、包装はかえって邪魔なのかもしれない
  ましてや至高の宝玉ともなれば、包み装うなど愚かとしか言い様がないのだ。


  友雅は自嘲気にククッと咽で笑い、あかねは不思議そうに顔を上げた。



  「友雅さん?」

  「いや、何、本当に私は愚かな男だと思って
   ・・・飾り立てる必要など全く無いのに・・・」



  そう言うと、ドレスの背に手を回しゆっくりとジッパーを下ろしていく。
  その不謹慎な行為に、あかねは慌てて抗議の声を上げた。



  「ちょっ! 友雅さんっ!!(///)



  元々、鎖骨を出す位置まで襟が大きく開いていたドレス
  ジッパーを下ろされただけで、簡単に肩から落ちてしまう。
  慌てて引き上げ様にも、友雅にしっかり抱締められていて
  思うように身動きが取れず、背後は全くのノーガード。
  腰までドレスを脱がされた格好で、あかねの染み一つ無い真っ白な背中に
  つっ〜っと、友雅の指が這わされる。



  「んっ!」



  思わず零した切ない吐息を満足げに堪能しながら、耳を甘噛みし一言。



 

「邪魔な『ラッピング』は剥してしまわないとねぇ




自分が出した御題は、責任持って消化させて頂きます!

・・・一応こっちを本筋に考えていました・・・ってか、このための御題
包装は物を包むだけじゃありません!
昔から『男性が女性に服を贈るのは、ソレを脱がす為』って言われますし

途中、分岐が出来てしまい、有難くも許可を頂きましたので
「微エロ」と「甘風味」にバラしてみました

・・・まぁ、どっちも最終的には
兎ちゃんは白虎に美味しく食べられる運命なのですが・・・
でも絶対このパターン、後であかねちゃんに怒られるよねぇ(^_^;)

ウチの「Rougeの贈り物」友雅編の続き・・・って事はXmasかよ\( ̄д ̄;)
姫君主義 / セアル 様