※この作品には強引な性表現があります。18歳未満(高校生含)の方は閲覧を控えてください
黒日〜kurohi〜

= 黒 =






  「あっ、あぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーっ!」

  「うっ・・・くぅっ!」



  男女の切羽詰った嬌声が入り混じり、女は高みに押し上げられ気を飛ばし
  男は、女の胎に容赦なく白濁を注ぎ込んだ。

  射精感の享楽の余韻に息を上げならかも、二人の結合部を眺めてみれば
  納まりきれなかったものが、コプリと溢れ出ていた。
  まるでそれが自分を拒絶された様に感じられて、苦い思いで見つめながらも
  致し方ない、という事も十分に理解している。
  女・・・いや、女になったばかりの少女の小さな躰では、とても許容範囲ではない。


  ───百戦錬磨の遊女であろうとも、耐えられる様な責めではないのだから───


  少女を攫い、京より僅かに離れた人知れぬ邸の塗籠に閉じ込め
  武官の体力に物を言わせ力づくで押さえ付け、その身を暴いて性技で懐柔し
  強引に破瓜を散らしたのは、一体どれほど前の事だったろうか?
  つい昨日だった様な気もするし、もう何日も経っている様な気もする。

  だが一つだけ確かな事実、それは一度も自らの竿を女陰(ほと)から抜いていないという事。




 〜kurohi〜



  龍神の神子は全ての者を守る為、自らを龍神の贄にと捧げた。
  皆の叫びと願いは届き、何とか神代の国から戻ってきたものの
  流石に無事に、という訳にはいかなかった。


  人知を超える膨大な神気に晒された結果、意識を取り戻すまでに三日。
  身体機能が回復するまでには、更に一週間の月日を要し
  ようやく床から起き上がれる様になった頃には、現代に帰れる時期を逸していたのだ。

  京の気は滞りなく巡り始め、流れは日々緩やかに満ち引きを繰り返し
  差が最大になる時、その時が最も龍神の力が満ちる瞬間。
  あかねが床に伏せっている間に、最高の好機は過ぎ去ってしまい、次に訪れるのは一年後。
  否応もなく、京への一年の居残りが確定したのだ。



  あかねや天真や詩紋、そして無事にこの手に取り戻した蘭は
  土御門で世話になりながら、日々を過ごした。
  日がな一日を邸に留まることもあったが、台風一過が過ぎ去ったような京の現状は 
  未だに清浄な神気を宿したままの龍神の神子を、放って置く筈もなく
  小さな事とはいえ何事か異変や怪異な事があれば、八葉と共に出かける事もしばしばだった。



  
  そんなこんなで、もうすぐ一年。

  明日は神泉苑より現代に帰るであろう前日、友雅はあかねに呼び出された。
  そして、改めて別れを告げられたのだ。




  不気味な歯車が、音を発てて回り始めた瞬間だった。




  あかねの意識が回復しなかった日々、そして床から身を起こす事も出来なかった日々は
  友雅にとって、大きな心の傷となって刻み込まれた。
  本人が側にいても意識がない、それだけでも心が々に乱れ弾け飛んでしまいそうなのに
  帰っていってしまったら? 側から消えてしまったら? 居なくなってしまったら?

  ・・・永久に・・・

  

  「そんなの、耐えられる訳がないじゃないか」





  一年間、友雅は今迄以上にあかね元に馳せ参じた。
  自分の元に、この京に留まってくれるように。
  通って、口説いて、戯れて、それは彼にとっては、どれも此れも本気の行動だったのだが
  今までの行いの悪さの所為か、本気に取ってもらえることはなくて。

  真剣に人を愛した行動をした事がない男にとっては、今までの戯れの延長のような誘いや
  揶揄う以外の方法を知らなかったのだ。

  そんな男の想いが、次第に黒い方向へと堕ち転がっていくのは至極当然の結果。
  もうあまり時間がないと悟った時、友雅は秘密裏に京より僅かに離れた場所に小さな邸を買い上げた。


  ───体が回復して、すぐに現代に帰れていたら
       こんな事態には、陥っていなかっただろうが───


  別れを告げられた瞬間、手は愛しい少女に伸び力一杯抱き締め
  勢いのまま初めて口付けて離すことなく意識を奪い、そのまま拐かした。

  あかねが行方不明となり、自分も失踪すれば犯人は誰かと捜すまでもない。
  だがら占いや、陰陽道や、霊能力で居場所を探せない様に
  霊地理的に隔絶され、帝の力もそう簡単には及ばせない地方豪族の土地の邸を求めたのだ。
  そして何より、最大の特徴でもある龍神の神気の器である斎宮の清い身体を
  邪な男の欲望で穢して、汚して、貪りつくす。


  ───そしてそれは、今現在進行形の話で───




  友雅は自らの下に組み敷き、意識を飛ばしているあかねをまじましと視姦しながら
  誰に聞かせるともなく、ボソリと独り言ちる。



  「あの日は、水無月の午の日・・・まさに受死日に相応しい最悪の大凶日、黒日だったのだねぇ」

  
  
  男の凶行を一身に受け続けた少女は、全身を桜色に染め
  躰のいたる所には、花弁の痕が無数に舞い散っている。
  涙と、汗と、唾液と、愛液と、白濁で汚されようとも
  その可憐さは全くもって衰えておらず、未だこの手を逃れ月の世界に帰っていってしまいそうで
  戦慄するほどの恐怖が、友雅を支配する。

  例え一時でも一瞬でも、繋がりがなくなってしまえば二度と手中に収める事は叶わない気がして
  今、この腕の中にあるのが現実である事を確かめたくて
  ゆっくりと腰を引くと、勢いよく最奥まで叩き付ける。
  緩慢な動作ではあるが、その大きな行程を繰り返した。
  穿つ毎に自身には甘い痺れが走り、打ち付けた勢いが
  少女のまろい腹を、未成熟だが形の良い胸を、波紋の様に広がっていくのが傍目にも分った。
  


  「・・・はぁ・・・うんっ・・・あっ・・・」



  意識が混濁した状態であっても、強制的に与えられる快楽に躰は既に馴染み始めていて
  頬は薔薇色に染まり、突く度に小さな嬌声が上がり、残っていた白濁と違う粘りのある液体が
  竿に絡み、心地よく締め付け始めた。 




  それが、求められている様に思えて




  そうではないと、頭では分っているのだが




  嬉しくて、嬉しすぎて、我慢など出来なくて




  腰の動きはそのままに、全てを奪う深い口付けを貪る。





  上の口は塞がれて、下の口も責め立てられて、これで目を覚まさない訳はない。
  


  「・・・ふぅ・・・んん?・・・」



  何かで塞がれ呼吸も儘ならず、おぼろげな意識を何とか引き上げボンヤリと目を開けてみれば
  至近距離というか、数センチさえない距離で友雅の目とかち合った。
  驚愕に目を見開き、今口を塞いでいるものが何なのか
  下腹部から突き上げられる、刺激の原因は何なのか
  全ての点が繋がった瞬間、あかねは顔を左右に振り、力の入らない手で
  友雅の胸を突っ張って、何とか逃れ様と足掻く。


  
  「いっ、いや、友雅さん・・・もっ・・・許してぇ・・・あうんっ!」

  「許して? 一体何を許すというんだい」

  「や、あん!・・・も、くぅん!・・・無理ぃ、はうん!・・・
   これ以上は、壊れ・・・るぅ・・・あっあ!・・・おかしく、なっあぁぁぁぁっ!」













  



  「 構わないよ 」


















  「えっ!?」

  「おかしくなって、欲に溺れて、私以外の事を考えられない様に
   逃げられない様に、拒まれない様に、離れられない様に
   もっと狂って、もっともっと悶えて、もっともっともっと善がって
   壊れておしまいなさいな」

  「ひっ、いっイヤ・・・やっ!」



  どこか危うげな嫣然たる微笑を浮かべ、友雅は膝立ちになり
  あかねの足を掴み大きく開かせたまま、高く持ち上げた。
  男の意のまま下半身は宙に浮き、結合部は大きく曝され否が応にも自らの視野に入ってくる。



  「やだ、イヤァ、見ちゃヤダぁぁぁあっ!」
  
 
  
  最初に散々舐めた・・・だけどあの時は、初めての経験で意識が霞んでいて。
  気を飛ばしている最中に散々弄った・・・だけどその時は、当然意識などなくて。
  こんな風に、溢れるほどに濡れながら、兇悪な固まりを根本まで咥えこんでいるだなんて
  想像した事などないだろう。
  出たり入ったりするのを、嬉しげに眺めている雄の表情まで見せ付けられて
  恥ずかしすぎる光景に、泣きじゃくりながら顔を手で覆って見ない様にするのが精一杯。



  だがそれさえも、罠の一つ。
  一感覚を遮断すれば、他の感覚がそれを補おうとして鋭敏になるのは自明の理。



  聴覚は、有り得ないほどの淫靡な水音と、肉と肉がぶつかる音
  自らの嬌声や友雅の息遣いまで拾ってしまう。


  臭覚は、雄と雌の匂いに侍従の香が混じって、それだけでまるで媚薬の様に躰を火照らせる。


  味覚は、飲まされた唾液に、それに混じり混んだ酸味のあるモノと苦味のあるモノ
  そして、翻弄されまくった舌の動きまで思い出してしまう。


  腰を捻ったり、腿を閉じようとして、怒涛の責めから僅かでも逃れることさえも許さない
  と言わんばかりに、腰の動きを加速させるものだから、感覚はいうに及ばない。



  
  自我を壊しかねないほどの、津波の様に何度も押し寄せてくる快楽は
  もう悦びなどではなく、恐怖でしかない。
  それでも、なまじ耐性のある女の躰は過分な刺激を受け止め受け入れ
  高みの、更に高みの上にまで引き上げられる。

  

  「はうっ、あっあ”っ、ひぃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」



  足の先まで硬直して、背筋は綺麗に反り返り、躰の痙攣は止まらない。
  白い火花か目蓋の裏でスパークして、背筋から脳天に突き抜け
  友雅の形に馴染まされだ女陰が、意識とは関係なく壁をうねらせて竿を締め上げる。

  

  「あ・・・かねっ!」
  


  今度こそは一滴も逃さない様に、持ち上げた胎の子宮の奥深くにまで迸りを注ぎ込んだ。











  

私の下で啼く乙女

いや啼いているのではない、泣いているのだ

泣かせたかった訳じゃない

悲しませたかった訳じゃない
 
苦しませたかった訳じゃない

こんな顔をさせたかった訳じゃない

ねぇ、以前みたいに微笑みかけてくれまいか?

だかそれは、叶わぬ願いと知っている

私がそう選んだのだから

ならば、再び笑ってもらうには


・・・ 壊れておしまい、私の様に ・・・







 「いくらでも無上の快楽を刻んであげるから、早く私の闇まで堕ちておいで」
    


仄暗い笑みを浮かべると、一向に萎える気配すら見せない楔が
未だに痙攣している胎で、再び妖しく蠢き始めた。





もう、この妄執は誰にも止められない

例え、君の営みを止める事になっても  

例え、君が内の白き姿に変わり果て様とも

それこそ、私の心の臓が止まるその瞬間まで



「 あかね、愛しているよ 」




































  「・・・さん。  ・・・ま・・・さん。  友雅さん!」

  「はっ!」



  名を呼ばれ、肩を揺すられる感覚で目を覚ましてみれば
  目の前には心配そうに覗き込む、あかねの顔が



  「友雅さんがこんな所でうたた寝なんて、大丈夫ですか?」

  「あ・・・あぁ、いや」



  軽く頭を振って、現状況を覚醒させる。
  今日は、水無月の午の日。
  あかねが一年間の京での滞在を終え、明日は現代に帰ってしまうであろう事。
  そして「お話があります」と神泉苑に呼び出された事。
  分りきった話の内容だろうが、一縷の望みをかけてやってきた事。
  少し早く着すぎて、色々あって気を張り詰めすぎて、不覚にもうたた寝してしまった事。













「微かに笑っていたから、楽しい夢でも見ていたんですか?」
  


─── あの夢の内容・・・思わず、腰の辺りがゾクリとしてしまう ───
























「そうだね、私にとっては・・・そう、かな」

 

─── 白雪にとっては、悪夢だろうがね ───

 





















「それにしても、私が来ても全然気が付かなかったから、よっぽど疲れていたんですね。
最近、何か忙しいみたいですし、無理に呼び立ててしまってごめんなさい」

「いや、それは大丈夫、構いやしないよ」



─── 忙しいと思われているのは、君を囲う為の邸の準備をしているから ───























「それで、私に話とは何かな?」



─── あれが正夢となるかどうかは、全ては『神子殿』次第だよ ───















はい、後味悪くてすみませ〜ん m(__)m

参加タイトルになっている『黒日』
何か他に引っかからないかな〜と、ググってみると

受死日(じゅしにち、じゅしび)
暦注下段の一つ、暦の下段に「●」の印で表されることから黒日ともいう。
この日は最悪の大凶日とされ、病を患えば必ず死ぬとまで言われる。  ウィキペディア参照

・・・ほうほう、恋の病に死んじゃう訳ですな(^_^;)


「もっと暗黒に叩き落す」とか「洒落なならんぞゴルアァァァ!」ってオチも考えたのですが
まぁ、続きは『あかねちゃん目線編』で明らかに(←ひくな!

  



四十八手裏表 「深山本手」


姫君主義 / セアル 様