※この作品は年齢制限を設けています。18歳未満(高校生含)の方は閲覧を控えてください
コ ト ノ ハ

= 友雅萌えセリフ 全62題 =





  冬は寒い、それが当たり前だった。
  だが今は、その事に感謝の念を送りたい。

  何故なら、愛しい宝玉が腕の中に納まっていてくれるから。




  冬は寒い、頭では分っていた。
  でも、こんなに寒いなんて。

  だからどうしても耐え切れなくて、つい熱源を求めてしまう。




コ ト ノ ハ




  「友雅さん、あったか〜い」
 
  「ふふ、それは何より。 君の居場所は、私の傍、私の腕の中だけだよ」

  「え〜っ、それは狭すぎて、ちょっと嫌かも」

  「おやおや、意地悪な姫君だねぇ。
   私に愛されるのが嫌だとは言わせないよ、さぁ私に愛されていなさい。
   私を愛し、必要としているのなら、誰に遠慮することなく、私の傍にいなさい。
   それでも私を拒むというのなら、このまま君を攫って行こうか」

  「きゃっw」


  友雅は、背後抱っこの形で腕の中に納めていたあかねを
  更に深々と羽織っていた衣で、頭の上からすっぽり包み込んだ。  


  全ての幕引きが終わった宵に手折った、一輪の蕾。
  夜毎啓かれ朱を差され、艶と円熟味を増し大輪の花となろうとも
  その清純さと、誠実さを失う事はなくて
  この享楽で怠惰な性格の男を、唯一御せる稀有な少女。

  しかし、優秀な彼女にも弱点があって『京の気候についていけない』のだ。

  現代にはエアコンがあり『暑い』『寒い』とは言っても耐えられない程ではない。
  だが京ではどうだ。
  夏はうだるほど暑いのに、紗の衣に、打ち水、扇であおぐのが精一杯。
  冬は凍えるほど寒いのに、火鉢ぐらいしかないのだ。
  
  事実、御簾を下ろし、几帳と衝立を何枚も立て
  更に火鉢を何個も、周囲に置いてもらっている。
  それでも寒くて、友雅の腕の中で温まっている現状なのだ。


  あかねは、ごそごそと体勢を整え衣から頭を出すと
  先程までの楽し気な雰囲気とは対照的に、伏せ目がちに申し訳なさそうに呟いた。


  「ごめんね、友雅さん」

  「何が?」

  「お仕事で疲れているのに、こんな事してもらっちゃって。
   やっぱり駄目ですよね、こんな場所で怠けていちゃぁ」


  数多の姫君や女房が『今夜は帰さないよ』との言葉を
  一度だけでも、と望む男の懐中を『こんな場所』と言い切るあかねに
  友雅は、苦笑を隠せない。
  勿論、彼女が自分を厭わっている訳ではない事ぐらい重々承知してはいるのだが
  少々大袈裟に溜息など吐いてみる。


  「やれやれ、全く・・・私を捨てようなどと言う女は、君くらいなものだよ」

  「捨てるだなんて、そんなこと言ってないです」

  「同じ事だよ、後ろ髪を引かれる思いで出仕して、こなして、戻ってきて
   やっと、君を抱く事が出来る。この時を待っていた・・・と言うのにねぇ。
   こんなにも愛しているのに、どうしたらそれが君に伝わるのかな?」

  「えっ!? 十分過ぎるほど伝わってますっ!」

  「まだまだ不十分だねぇ。
   私には、君以外に大切なものなど、何一つないのだよ?・・・あかね。
   だからもっと、私に、我が儘を言ってごらん」

  「これ以上の我が儘なんて」

  「なら、私の願いを叶えてくれまいか」

  「友雅さんの願い?」

  「私を甘やかしておくれ」

  「えっ!?」

  「私をもっと甘やかしても、罰は当たらないと思うがね…。
   …ね?私を甘やかしておくれ…?」


  あかねは、小首を傾げ考える。
  友雅は自分なんかより遙かに大人だ・・・と思っている。
  確かに、朝に出仕を嫌がったり、意地悪気に鹹かったり、独占欲が強かったり
  それでも、人生経験にしろ何にしろ、悔しいが自分なんかより立派な大人だ。
    
  それなのに未熟な自分が、大人の彼を甘えさせる事ができるのだろうか?


  「・・・どうすればいいんですか?」

  「私に、甘えておくれ」


  あかねは、思わず吹き出してしまった。
  『甘やかされたい』のか『甘やかしたいのか』言ってる事が支離滅裂だ。
  それともコレが、大人の余裕と言うヤツなのだろうか。

  
  「呆れた?」
 
  「そんな事ないですけど」

  「別に良いのだよ、呆れてくれて。
   君が呆れる程に傍にいて、愛し続けるよ。
   だから、君を愛し続ける権利を私に与えてくれまいか。
   ・・・私の妻になってくれまいか・・・」

  「もうっ! 何回目ですか、それ」

  「飽く事無く、何度でも『ぷろぽーず』させて頂くよ」

  「そっ、それって意味ないですよ」

  「そう?」
  
  「だって、私はもう友雅さんの奥さんなのに」

  「忘れてもらっちゃ、困るからねぇ」  


  一体、どうやって忘れろと言うのか。
  通い婚が当たり前のこの京で、藤姫の制止も振り切り
  拉致も同然に、自分の邸に連れ込んだ男の台詞とは思えない。  

  朝も夜もその腕に抱き、物忌み方忌みと連発し常に側に居るというのに?
 
  現にこうして、橘の邸の北対で独占していると言うのに?


  「ふふ、おいで・・・もっと傍に」


  物言いたげなあかねの視線をやんわりかわし、互いの温もりをより深く感じ合う様に
  背後抱っこではなく、向かい合うように抱締める。

  二人を包む温かな空気に、僅かに寒い風が差し込んだ。
  フトその寒さに釣られ、顔を外に向けてみると月明かりに照らされ
  はらりはらりと、天上より白い贈り物が届いていた・・・幼妻と同じ形容の贈り物。


  「あぁ、随分と寒いと思っていたら雪が降って来たねぇ」

  「本当・・・寒いけれど、綺麗・・・ホワイトクリスマスだ・・・」

  「ほわいとくりすます?」

  「クリスマスは私の世界の神様の聖誕祭で、その日に雪が降ったら
   ホワイトクリスマスになるんです」

  「ふぅん」

  「ふふ、何年前かなクリスマスの日に大雪が降って
   あんまり珍しくて、庭でかまくらを作ろうとお父さんが言い出しちゃって」

  「かまくら?」

  「雪で作る、小さなお家なんです。
   山みたいに盛り上げて、空洞にして、その中に火鉢を入れて
   お餅や蜜柑を食べたりするんです」

  「態々? 寒くないのかい?? かまくらが融けたりしないの???」

  「空気が逃げないから、中は意外と温かくて、外は寒いんで
   簡単には融けない・・・んですって。
   残念ながら、私は経験がないから分かりませんけれど」

  「おや、作ったのではないのかい」

  「かまくらって沢山雪がいるんです、お父さんと作ったけど全然雪が足りなくて
   ドロまみれのかまくらになって、とてもじゃないけど入れなくて
   で、無理矢理作ったものだから、庭を荒らしてお母さんに怒られちゃって・・・」

  
  最初は楽しい思い出を語っていたあかねのトーンが、段々と低くなり
  やがて、完全に俯いてしまった。

  両親との楽しい思い出、それはもう二度と手に入らない物。
  現在を勝ち取る為に、自らの判断で捨てた物。
  後悔はしていない、だがそれと郷愁の念に駆られるのは別物だ。

  あかねは、齢十六歳の少女なのだ。



  友雅はあかねの頭を自分の胸に押し当て抱すくめると、耳元でそっと囁いた。

 
  「私の前でだけ許してあげようか、身も心も解き放つことを。私の姫君。
   私のすべては君の為にあるのだよ。
   だから、君の喜びも悲しみも何もかも受け止め、受け入れるよ。
   ・・・他には誰もいない、だから泣いて良いのだよ・・・」

  「っ!」

  
  余計な心配なんかさせたくなかった、だからいつも笑顔をと心掛けていた。
  神子として召喚された時も、鬼と戦っていた時も、京に残ると決め友達と別れた時も
  慣れない京の習慣の中で、覚束無いながらも北の方として頑張っている時も

  でも

  全てを悟った様に、そんなに優しく言われてしまったら、逆らえる方法なんか


  ・・・ない・・・



  あかねは、今までの堰を切った様に咽び泣いた。
  友雅の胸に顔を押し当てて、着物を強く握り締めて
  京に来て初めて、感情の赴くままに、嗚咽をあげながら慟哭した。








  一体、どの位の時間が経ったのだろうか。
  涙は打ち止め、頭もどこかすっきりし思考もクリアになってきた。

  ・・・となると現金なもので、自分の行動が途端に恥かしくなってくる。

  大声を上げて泣くなんて、子供っぽくないだろうか?
  目の前の友雅の着物は、涙と握り締めていた事でヨレヨレだ。
  いくらなんでも、このままでは風邪を引いてしまうかもしれない。
  それに、自分の顔も凄い事になっているだろう。

  友雅は何も言わず抱きしめ、ずっと背中を優しく撫でてくれている。
  あかねは覚悟を決めると、顔を逸らすように腕の中で身を捩った。

  
  「・・・友雅さん、もう平気です。
   着物を汚しちゃいましたから、新しいの持ってきますね」


  立ち上がろうとした、あかねの腕を掴み引き止め
  見られない様にと、逸らした顔を両手で包み込まれ
  友雅に真正面からじっと見つめられた。

  
  「・・・身を引くなどと言わないだろうね・・・」

  「違います、友雅さんの着物を持ってくるだけです。
   それに・・・顔も洗いたいし」


  散々泣いて、涙でグチャグチャな顔。
  きっと瞼も腫れているだろうし、鼻だって赤くなっている筈。
  夫婦とはいえ、大好きな人にこんな顔を見せたくないのは乙女心。
  あかねは懸命に逃れようとするのだが、友雅の腕が緩む事はなくて
  僅かに歪んだ口角に、何だかいやな予感がする。 
  

  「そんな小さな障害であきらめてしまう恋など、最初からすべきではないのだよ。
   それに、どうせこれから「啼く」のだから洗っても同じ事さ」   

  「えっ!?」

  「私の月の姫君。もう、月には帰さない。
   どんな理由があろうとも、私から離れたり、逃げたり等するのは、許さない。
   先程、君が言ったのだよ。
   私が満足するまで、いつまでもずっと、愛し続けても良いのだと。
   この想いは止められないのだよ。それが君の願いであってもね」

  「友雅さん?」

  「どんなことをしても必ず、君を捕まえてみせる。
   どんなに怯えても泣いても何をしても無駄だよ。
   君は私に抱かれて、私のものになるのだからね。
   だから、私に堕ちてしまいなさい。神子殿」

  
  『神子殿』と友雅がそう呼ぶ時、それは深くて激しい情欲を含んでいて
  京を救った斎姫の名をあえて呼ぶ事で、背徳感を煽り淫靡感を高める。
  
  先程まで寒さと温かさを感じていた体が、一気に熱を孕み
  散々覚え込まされた快楽の火種が、少女の躰の奥でズクンと疼きだす。
  そんな自分の変化に未だ慣れていなくて、恥かしくて
  色事を佩びそうな雰囲気を、打破しようと試みる。


  「えっ、あのっ」

  「今更、何を驚いているんだい?昨夜二人で、夜を過ごしたというのに」

  「そっ、それはっ」

  「私との事を一夜の夢にするつもりかい?駄目だよ、そんな。
   これからずっと続く永遠の夢になるのだからね」

  「ちょっ、待って」

  「嫌だね・・・もう、待たないよ」

  「やっ、あっ」

  「私を生かすも殺すも君次第なのだよ、神子殿」

  「と、友雅さっ」

  「私のものになりなさい」

  
  両手で覆われ逃げる事は出来なかった。
  それどころか、名を紡ぐ事さえも許されなかった。
  唇が合わされ、歯列を割られて、舌を絡め擦られ吸い付かれ 
  飲み込めない唾液が溢れ、口の端から落ちるのも
  全く気にする様子もなく、延々と口内を弄ぶ。

  ようやく開放された時には、酸欠とそれよりもっと甘くジンジンする痺れとで
  頭がくらくらし、瞬く間に理性が霧散してしまう。

  
  「んっ・・・ふぅん」
 
  「私から逃げられると思っているのかい?
   口付けだけでは終われないよ・・・?
   私を本気にさせたのだから、覚悟しなさい」

   
  いつの間にかその場に押し倒されて、友雅の唇は新たな標的を見定めていて
  頬に、瞼に、鼻に、それこそ顔中に降り注がれる。
  先程まで泣いていたのだ、その痕に唇を落せば当然しょっぱい筈、だが


  「神子殿の唇はおいしね。恋の味がする・・・、頬も唇も・・・でも
   「恋しい」と書いて「苦しい」と読む・・・
   ・・・知らなかったよ、神子殿に出逢うまでは」


  ぼそりと呟いた言葉を、あかねが理解する事は出来なかった。
  何故なら、今度は呼吸も唾液も奪ってしまうような
  貪り付く口付けに、襲われたから。
  激しく口内を犯しながら、袷口を開き零れた双丘を揉み拉くと
  硬く勃ち、自己主張を始めた実を指で軽く弾いた。

  
  「きゃぁんっ!」
  
  「ここが気持ち良いのかい?」
  
  
  何度も何度も、余す事無くあかねを抱いている
  男の質問とは思えない程、意地の悪いモノだ。
  そんな事、誰よりも、もしかしたら当の本人よりも分かり切っている筈。
  だが、あまりにも性急な行為の為、少女の心情は躰の快楽に追いつけない。
  羞恥に身体を火照らしながらも、懸命にかぶりを振り否定の言葉を紡ぐ。

 
  「やぁ、いやっぁ・・・んぁあっダメっ!」
  
  「駄目・・・ねぇ。
   やれやれ、嘘吐きには「お仕置」が必要かな?
   でも、正直に答えたら「ご褒美」を上げよう。
   「ご褒美」と「お仕置」どちらにするかい?」
  

  どちらにしろ『無体』になるのは、決定事項のようなのだが
  既にあかねには、そんな余裕すらなかった。
  双丘を弄り、着物を暴きながら体の線を撫で上げ、舌で味を堪能する。
  その巧みな愛撫にまともに答えられる訳がない。
  口から零れるのは、意味をなさない嬌声ばかり
  ・・・いや、最も重要な意味はなしているが・・・


  「あぁ・・・あんっ・・・んん・・・あぁあぁぁっ」

  「とても感じやすいのだね。
   では、素直な神子殿には「ご褒美」を差し上げようか」


  無垢な少女をそういう風に仕込んだのは自分なのだと
  仄暗い悦びが雄の独占欲を熱くする。

  だが、まだだ。
 
  この程度では納得できない、満足できる筈がない。


  快楽に翻弄され、紅潮している顔を覗き込み
  態と艶をこめて、意味深な台詞を吐いた。

 
  「私の月の姫君は、いつ、纏っている羽衣を捨ててくれるのかな?
   もう羽衣など必要ないのだよ、君を桃源郷に導くのは私だけ。
   ・・・さぁ、往っておいで」

  「・・・え?・・・」


  霞の掛かった朦朧とした意識の中で、その言葉をぼんやりと反芻する。
  だがすぐに、その意味と行動を理解する事になった。
  緩み力の入らない膝を割られ、既に潤んでいる蜜壷に長い指を突き入れられた。
  親指の腹で華芯を押し潰す様に嬲りながら、胎のもっとも弱い箇所を
  容赦なく擦り上げられる。


  「っぁ! あああああっ!!」


  突然の質の違う激しい快楽に、一気に絶頂へと飛ばされる。
  小刻みに震え、ほとぼりが治まっていない蜜壷に指を増やし差し入れ挿抽し 
  二度、三度と立て続けに絶頂の極みへと導いた。 

  
  「はぁっあぁぁぁぁぁーーーーーーっ!!!
   ・・・アッ・・・はぁ・・・あっあぁ・・・」


  友雅は痙攣している蜜壺から、指を引き抜き自分の口に運び
  手に纏っている蜜を、一滴も残さない様に丹念に舐め取りながら
  全身を桜色に染め、息も絶え絶えに荒い呼吸を繰り返すあかねを
  緩む口角と共に視姦する。


  ・・・君は、私のものだよ・・・

  ・・・違うな、 私は、君のものだよ・・・

  ・・・私が跪くのは、君だけだよ・・・

  ・・・君しかいらないんだ、だから、帰らないで、どうか、傍にいておくれ・・・

  ・・・強引でも卑怯でもなんでもいい。
    それで愛しい君が私の傍にいて、私と一緒にいてくれるなら・・・

  


  「神子殿は甘い香りがするねぇ、その芳香の香木を一体何処に隠していらっしゃるのかな?」


  額に、瞼に、頬に、首筋に、二の腕に、腕に、手の甲に、鎖骨に、鳩尾に
  胸に、腹に、脇腹に、腿に、脛に、足の甲に、ふくろはぎに、内腿に
  流離い揺蕩う様に、所有印を刻んでゆく。

  そして足を大きく割り開き、間に身体を滑り込ませて、嬉しそうに一言。

  
  「ふふ、見付けた」

  
  蜜を湛え咲き誇っている華と充血し震えている華芯に、優しく口付け舐め上げる。
  ピチャピチャと、淫靡でありえない水音があかねの耳に響く。


  「きゃうぅぅぅっ!」

  
  達したばかりの躰は、とんでもなく敏感だ。
  それでなくても、性質の悪い年上の夫に散々開発されつつあると言うのに

  猫がミルクを飲むように、丁重に舐め尽くされたりしたら

  体温で篭もった侍従の匂いに包まれて

  反射的に開いた視線に映ったものは、傅き躰を嬲りながらも挑発的に視線を絡める男


  聴覚と触覚と嗅覚と視覚、四つ巴の刺激にもう限界だ。


  「ハァァ・・・んっあっ、と・・・もま・・・さっんっ! あぁっもうっ!!」

  「私が、欲しいのかい?」


  思わずコクコクと頷いたあかねの唇を、指でそっとなぞる。
  自身のモノは、既に臨戦態勢で天を向き痛々しいほど勃ち上がっている。
  『おねだり』させたのだから、もう満足してもいい筈だ。

  だけどあと一言、もう一言の『言の葉』が欲しい。  
  

  「ねぇ、どうかこの唇で・・・「愛している」と言ってくれないか?」

  「あっ・・・愛してるっ・・・友雅さ・・・ん、大・・・好きぃ・・・」




  ・・・嗚呼、私の心の在り処を見つけたよ・・・




  啄むよう口付けを何度も交わし、潤みきった蜜壷に自身の楔を宛がうと
  花弁を押し広げ、そっとゆっくり、しかし根元までしっかり捩じ込んで行く。


  「はぁっ!」


  瞬間、苦しそうに息を呑み、眉間に皺を寄せる。
  毎夜、解され、馴染まされてるとはいえ
  あかねの胎は友雅のモノを、余裕で許容できる訳ではない。
  だが顫動させ小刻みに突いていると、驚くほど柔らかく全てを包み込んでしまう。


  「凄いね、全部、咥え込んでくれたよ」

  「やぁ・・・いっちゃ・・・いやぁ」


  何度欲に貶めても、いつまでも初々しい反応に
  友雅の理性は、あっさりと焼き切れてしまう。
  律動はすぐさま熱を帯び、開発途上の胎を所狭しと暴れまわる。
  今、愛しい人を感じさせているのは他でもない自分なのだと
  その存在を刻み付けるように、何度も、何度も、思いのままに突き上げる。


  「愛している。誰よりも何よりも、君だけを愛しているよ」

  「わっ、私・・・もぉ・・・です・・・ぅっ」




  ・・・幾度躰を重ねても、飽きるどころかどんどん溺れていってしまう・・・
  
  ・・・想いが暴走している・・・

  ・・・分かっているのだ、そんな事は、でも止められない・・・

  ・・・否、止めたくなんかない・・・ 

  ・・・もう、孤独とは遊戯(あそべ)ない。君の傍にいて、共にいる幸福を知ったから・・・

  ・・・だから、どうか許して欲しい。君と夜を過ごすことを・・・

  ・・・こんな男が、君を穢す事を・・・

  ・・・『あかね』・・・




  「あかね・・・あかね、あかね・・・っ!」

  「あぁぁっ・・・はぁっ・・・あっ・・・ああぁぁあっーーーーーーっ!」

  「うっ!」

  
  しなやかな肢体が反り返り痙攣しながら、締め上げる。
  最奥まで蹂躙していた楔は、その白濁した欲と
  無上の白い世界を少女に与え、自身も果てた。














  いつもの事とは言え、少々『無体』にし過ぎた様だ。
  種馬の様な武官の体力に、少女はまだまだ、とてもじゃないが追いつけない。
  事後の余韻を楽しむような、そんな余裕はない。
  双方共にだ。
  あかねは完全に気を飛ばし、早々に夢路を渡っている。


  「躰が、熱が、疼きが、君が忘れられないよ、あかね」 


  そして友雅は、未だに熱を孕み続けているのだから、本当に性質が悪い。 


  「やれやれ、夜も眠れぬ程に君に恋焦がれていることを
   何時気付いてくれるのだろうか」


  答えのない少女の変わりに、少し伸びた桜色の髪を指に絡め弄ぶ。


  「君を愛している。お願いだからどうか、信じてくれまいか」


  癖のない綺麗な髪が、するりと手を滑り逃げていく。  
  「嘘」と否定されているようで、苦笑しながら胸に秘めた秘密を打ち明ける。


  「信じられないかい?君が私の初恋だと」

  
  頬に軽く触れた指の反応したのか、告白の言の葉が届いたのだろうか
  あかねの寝顔に微笑が浮かぶ。

  優しい微笑み、それが全ての答え。


  「君の居場所が私の居場所だ。共に居ることを…許してくれまいか」


  寒がりの幼妻を腕に抱きしめ、直垂衾を幾重にも重ねる。
  まだ熱を持っている自身の体には、外気の寒さが心地良く感じるが
  腕の中の『幸福の温かさ』には敵わない。
  
  天からの贈り物は未だ止む気配はなく、恐らく明日には
  美しい一面の銀世界となる事だろう。


  「成る程、これが『ほわいとくりすます』の効果かな。
   ならば明日は、物忌みにして『かまくら』を共にこしらえようかねぇ。
   楽しい思い出を一緒に作ろうか・・・ねっ、あかね」


  勝手に陰陽の暦の折をつけ、明日の予定を楽しそうに独り言ちる。






とろとろと、温かで幸せな微睡みの中に堕ちていきながら


『やれやれ、全ての思いを手中に収めねば満足せぬとは、無粋な奴よ』


と聞こえてきたのは、一体誰の言の葉だろうか。





「友雅祭 Xmas Party」出品作品  御題「萌えセリフお題、全部v」


はははvやっちまいました! どれもコレも素敵過ぎて、選べなかったので
「萌えセリフお題」62個を全部、消化させて頂きました!

最初に作った時は半分程で、その後の修正で七割いけたんで
「よしっ! どうせなら全部いったれ〜っ」って事でw
(語尾を少々、変更してるのもあるんですがね)

「え〜っと、この台詞を言わせるにはどんな行動をさせようか」・・・で、結局艶物(^_^;)
そう、そうなった原因の台詞はっ!
『神子殿は甘い香りがするねぇ、その芳香の香木を一体何処に隠していらっしゃるのかな?』
・・・自分の投稿お題じゃん orz
(いやもう、最初からERO方面の投稿だったから、そのイメージが崩せなかった・爆)

どんな強気な台詞でもウチの奴が口にすると、何故かヘタレ気味になるから不思議だw


「Xmas 関係ないじゃん」のツッコミはスル〜とさせて頂きますデスw




=「萌えセリフお題」使用順=

・君の居場所は、私の傍、私の腕の中だけだよ
・私に愛されるのが嫌だとは言わせないよ。
・私に愛されていなさい
・私を愛し、必要としているのなら、誰に遠慮することなく、私の傍にいなさい
・私を拒むというのなら、このまま君を攫って行こう
・今夜は帰さないよ
・私を捨てようなどと言う女は、君くらいなものだよ
・やっと、君を抱く事が出来る。この時を待っていたよ。
・こんなにも愛しているのに、どうしたらそれが君に伝わるのかな?
・私には、君以外に大切なものなど、何一つないのだよ?・・・あかね。
・私に、我が儘を言ってごらん
・私の願いを叶えてくれまいか。
・私をもっと甘やかしても、罰は当たらないと思うがね…。…ね?私を甘やかしておくれ…?
・私に、甘えておくれ
・君が呆れる程に傍にいて、愛し続けるよ。
・君を愛し続ける権利を私に与えてくれまいか。
・私の妻になってくれまいか
・おいで・・・
・私の前でだけ許してあげようか、身も心も解き放つことを。私の姫君。
・私のすべては君の為にあるのだよ。だから、君の喜びも悲しみも何もかも受け止め、受け入れるよ。
・身を引くなどと言わないだろうね
・そんな小さな障害であきらめてしまう恋など、最初からすべきではないのだよ。
・私の月の姫君。もう、月には帰さない
・どんな理由があろうとも、私から離れたり、逃げたり等するのは、許さない
・君が言ったのだよ。私が満足するまで、いつまでもずっと、愛し続けても良いのだと。
・この想いは止められないのだよ。それが君の願いであってもね
・どんなことをしても必ず、君を捕まえてみせるよ。
・どんなに怯えても泣いても何をしても無駄だよ。君は私に抱かれて、私のものになるのだからね。
・私に堕ちてしまいなさい。神子殿
・何を驚いているんだい?昨夜二人で、夜を過ごしたというのに。
・私との事を一夜の夢にするつもりかい?駄目だよ、そんな。これからずっと続く永遠の夢になるのだからね。
・もう、待たないよ
・私を生かすも殺すも君次第なのだよ、神子殿
・私のものになりなさい
・私から逃げられると思っているのかい?
・口付けだけでは終われないよ・・・?
・私を本気にさせたのだから、覚悟しなさい。
・神子殿の唇はおいしね。恋の味がする・・・、頬も唇も・・・。
・「恋しい」と書いて「苦しい」と読む……知らなかったよ、神子殿に出逢うまでは。
・ここが気持ち良いのかい?
・「ご褒美」と「お仕置」どちらにするかい?
・とても感じやすいのだね。
・私の月の姫君は、いつ、纏っている羽衣を捨ててくれるのかな?
・君は、私のものだよ
・私は、君のものだよ
・私が跪くのは、君だけだよ。
・君しかいらない
・帰らないで、どうか、傍にいておくれ
・強引でも卑怯でもなんでもいい。それで愛しい君が私の傍にいて、私と一緒にいてくれるなら。
・神子殿は甘い香りがするねぇ、その芳香の香木を一体何処に隠していらっしゃるのかな?
・どうかこの唇で・・・「愛している」と言ってくれないか?
・私の心の在り処を見つけたよ。
・愛している。誰よりも何よりも、君だけを愛しているよ
・もう、孤独とは遊戯(あそべ)ない。君の傍にいて、共にいる幸福を知ったから。
・どうか許して欲しい。君と夜を過ごすことを。
・『あかね』
・あかね・・・あかね、あかね・・・っ
・君が忘れられないよ、あかね
・夜も眠れぬ程に君に恋焦がれていることを何時気付いてくれるのだろうか。
・君を愛している。お願いだからどうか、信じてくれまいか
・信じられないかい?君が私の初恋だと。
・君の居場所が私の居場所だ。共に居ることを…許してくれまいか。
姫君主義 / セアル 様